「味覚ノスタルジア」執筆中

いよいよ夏休みに入りましたね！
暑さに慣れてしまった私は、保冷剤を頭に巻くことで毎日を乗り切っています。

ところで、この写真の「会えたわ～」。どこかで目にした方ももしかするといらっしゃるかもしれません。
砧公園の近くで撮影したのですが、なんとも可愛いネーミングでしょう？
これはソーラー避難誘導塔、ＡＥ-TOWERを日本語読みにしたものです。
避難場所に設置され、地震などで停電しても点灯することで、バラバラになってしまった家族や友人の待ち合わせの目安になるそうです。無事に会えてよかった！という意味を込めて「会えたわ～」と名付けたとのこと。

初めてこの塔を見たとき私は、何これ？と驚くと同時に泣きそうになってしまいました。
塔に書かれた文字を見た瞬間、「会えたわ～」と言ってホッとしたように微笑む母の顔がなぜか浮かんできたからです。あの塔が母のように感じられました。
空想はどんどん膨らんでいきます。
「あなたいつも切れた凧なんだから」
よく私にそう言っていた母。母はこの場所で私を待っていたのです。ニコニコと笑いながら。
本当にそうだったらいいのに……と思いつつ、塔を横目に通り過ぎる私。
夕暮れ時や、日が完全に暮れて、塔が点灯を始めたときなど、余計にしんみりとしてしまいます。。。

しかし時というのは一番のクスリですね！　
母への郷愁はいつしか薄れ、「会えたわ～」という言葉だけが残るようになりました。それも、顔も知らないおばさんの言葉として。
「あんた、どこ行ってたのよっ」と笑いながらもバシンと私の背中を叩くおばさん。
でも、この塔の可愛さは変わりません。そばを通るとき、いつもしみじみと「会えたわ～」の文字を見てしまう私なのでした。