2023年10月12日 配信
秋の爽やかな風に吹かれながら私は自転車を走らせています。
目指すはプラネタリウム☆
今度こそ……! ぐいぐいとペダルを漕ぎつつ私は心に誓います。
今度こそ寝ないぞ!
情けないことに、私はいまだかつてプラネタリウムを最後まで満足に起きて鑑賞したためしがないのです(涙)
だって、シートはリクライニングだし、天井は星空だし、音楽はやたらムーディーだし、まるでどうぞお休みくださいと言っているようなものじゃないですか。
もしくは、今巷でよく耳にする「睡眠負債」というものがたまっているせいかもしれません……。
会場に着き、中に入ります。
プラネタリウムというものが出来て、今年で百年。ドイツで初めての機械が開発されたと、私は入口で渡された資料で知ります。
そっかぁ、百年前に出来たんだぁ。すごいなぁ。寝ないぞぉ。寝るもんか!
敢えてシートを倒さず、私は耳を激しくもみます。指輪の尖った先で、痛いほど指の先を刺激します。
そのうちに会場が暗くなり、天井に満点の星空が。ああ、うっとり……。
その日は流れ星の成り立ちというのがテーマでした。
丸天井に展開される迫力ある木星、土星……。
。。。解説者のなめらかな声がだんだん遠ざかっていきます。ああっ、マズイ。
私は爪を手の平に食い込ませるようにして強くこぶしを握ります。
寝てはならぬ。寝ては……。
上映、終了。
結果、完全に居眠りするほどではありませんでしたが、四回ほど意識がなくなる瞬間がありました。
そのせいか、なんだか記憶が曖昧です。
明るくなった会場をなにげなく見回してみると、明らかに寝起きっぽい顔の人がちらほらいました。
やっぱそうだよねぇ。うん、うん。
プラネタリウムで最初から最後までしっかり起きていられる人ってほんとスゴイな。
なんとなくぼんやりした頭のまま会場を出た私ですが、一番意識がはっきりしていた上映最初の満点の星空は、しっかりと目に焼きついていたのでした。
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