「味覚ノスタルジア」執筆中

最初目にしたとき、なんだかよくわかりませんでした。
何あれ……？
テレビとタンスのあいだの奥に、何やらもわっとした灰色っぽい物が見えます。
まさか……ホコリ？　それにしてはやけに大きいみたいだけど。
おそるおそる引っぱりだしてビックリ！　全長ゆうに15センチはあるでしょうか。
「長っ！　何これー！」
こんな巨大なホコリ、いまだかつて一度も見たことがありません！（どんだけ掃除してないんだ！）
ここまで成長するのに、一体どれくらいの時間がかかったのでしょうか……。
考えるとなんだか感慨深いものがあります。もはや単なるホコリの域を越えています。まるで生き物みたいです。
ウミウシに似てる……。
そう気付いたとたん愛着が湧いて、そっと手の平に乗せてみました。
空気をたっぷり含んでいるため、乗せているとモワッと温かくなってきます。
「可愛い♡」
私が泣いたり笑ったりブツブツひとりごとを言ったりしていたのを、ずっとテレビとタンスのあいだの暗い場所からひっそりと見ていたウミウシちゃん。想像すると胸がキュンとなってきます。。。

手の平に乗せながら、でもどうしようかなと考えてしまいました。
やっぱり捨てようかな……。

結果、ウミウシちゃんは再び元の場所にしまわれました。といっても、奥の見えないところではなく、手前辺りに。
何かの折、ふと灰色の頭を目にするたびに、なんともいえない不思議な気分になる今日この頃なのでした。。。