「味覚ノスタルジア」執筆中

ある日、近所でこんな自動販売機を見つけました。
え？　シフォンケーキ？
思わず足を止める私。
最近は変わった自販機もいろいろありますよね。今まで見かけたのは、醤油、餃子、綿菓子の自販機です。だからシフォンケーキがあってもそんなに珍しくないかもしれませんが……。
うーん、シフォンケーキかぁ。
とりあえずラインナップを一個一個見ていきます。
この中だったら０１の塩バニラか、０４の焦がしキャラメルアーモンドかなぁ。純生クリームが付くのもあるのね……。
国産の小麦、菜種油、てんさい糖、豆乳、卵を使用し、添加物は使わず、一つ一つ丁寧に焼き上げた手作りシフォンケーキ、と説明書きにはあります。ええ～ほんとにぃ～？
と思わず心の中で突っ込みを入れる私。
そのとき私は財布を持っていませんでした。なのになぜか自販機の前から立ち去れずにいました。たとえ財布を持っていたとしても、なんとなく躊躇してしまう微妙な価格なのに。
シフォンケーキ好きならともかく、あのふわふわしたケーキに４００円を払う価値があるのだろうか……でも自販機の中で冷凍しているからきっと維持費がかかるのだろう……。
ああ、なんか気になる～。
物は試しだ。よし、今度買ってみよう。
そう自分に言い聞かせて、やっと歩きだしました。

２度目に前を通ったとき、またしても私は財布を持っていませんでした。だいたいその道を通るときは散歩の途中なので、基本的に財布を持っていないのです。
今度こそ……いつか……！
そう思いつつ、毎回自販機を横目に見ながら通り過ぎてしまう私です。