2023年2月10日 配信
媛ヒメルです。
すっかり日が長くなり、梅も咲きだしてなんだか心がはずみますねっ。皆様いかがお過ごしでしょうか……。
ところでいきなりですがコーンスープはお好きですか?
コーンスープといってもいろいろなタイプがありますよね。コーンの粒がいっぱい入っているもの、細かくつぶされてとろみがあるもの、クルトンだけのっていてさらっとしているもの。
味もまたさまざまです。
ある日私は近所の川べりを散歩しておりました。
すると突然ものすごくコーンスープの匂いがしてきたのです。明らかにインスタントのコーンスープです。強烈で、とても化学的な匂いでした。その瞬間、私の脳裏に薄暗い部屋がパッと広がったのです。それもなぜか団地の一室です。台所のテーブルにはお湯の入ったポットとインスタントのコーンスープの箱とカップが置かれています。近くにいるのは少年です。少年はインスタントのコーンスープだけを与えられて団地の一室に監禁されているのです……。
歩いていくうちに強烈だった匂いもいつしか消えていました。
けれど脳裏に広がった光景はいつまでも消えませんでした。一体なんだったのでしょうか。近くには団地など何もなかったのに。自分でも訳が分かりませんでした。
インスタントのコーンスープと薄暗い陰気な団地の一室、そして少年──その光景は、長いこと私の中に棲みついていました。
そしていつしか「味覚ノスタルジア」という短編の中の重要なモチーフの一つとなっていました。
もしあのときの匂いが、バターや牛乳をちゃんと使った手のかかったコーンスープだったら、おそらく「味覚ノスタルジア」は生まれなかったでしょう。あのときはどうしてもインスタントのコーンスープでなければならなかったのです。
匂いが脳に与える効果って、本当に不思議で計り知れないものがありますよね!
ちなみに写真はコーンの缶を開けたものです。これでコーンスープでも作ろうかと考えているところです。
5 件
コーンすごいな缶詰め、冷凍か?私は昔粉と牛乳で作るスープ作りました、それから母親も朝冬たまに作りましたたべる、学校行くトーストも。あなたは、占いに振り回されてる、都合いいから。
コーンスープ、私も大好きです。
もうすぐ上梓される短編集の重要なモチーフとなった出来事なのですね。
拝読を楽しみにしております。
ヒメルさんはじめまして!
前作、空虚成分からのファンです。
科学的な香りのコーンスープからなる世界観が興味深かったです。
次回の投稿も楽しみにしております!
コーンスープ飲んでます。
以前は箱に入った小分け袋でしたが、今では大袋です。
もう小袋では満足できないのです……。
コーンスープって皆んな好きな気がしますね。私はつぶつぶの入ったタイプが好きですが、インスタントのも常備しています。団地の一室に、、というインスタントの寂しい暗いイメージ、わかる気がします。においって色々な想像が掻き立てられますよね。散歩って色々な事を考える事が出来るので、私も好きです!