2025年11月9日 配信
はじめまして菅谷と申します。
現在私は麻酔科医、医療機関経営者、医療機関経営コンサルタントとして働いています。
本業の麻酔科医としては年間50施設程度の医療機関にて、500件程度の麻酔管理に従事しております。
手術室では、患者さんの頭側――つまり気道の一番近く――で全身状態を厳密に監視します。
麻酔導入後のわずかな酸素飽和度の変化、胸郭の動き、気流の途絶を見逃さぬよう生体モニターで絶えず確認し「眠り」と「呼吸」の異常を察知し、即座に対応する――これこそが麻酔科医の使命であり、私たちの仕事の本質です。
なかでも近年急増している「静脈麻酔下の低侵襲手術」では、気管挿管(気管にチューブを入れて患者さんの呼吸を止め人工呼吸を行う手技)を行わず、患者さんが自分の呼吸を保ちながら眠る麻酔方法のため、手術中のより自然な睡眠状態を監視します。そこで頻繁にいびきが生じる光景をに目にします。
そして私は生体モニターに表示される呼吸曲線や血中酸素飽和度を通じ、私は“いびきが始まる瞬間”と“酸素が低下するタイミング”を何度も観察してきました。その頻度が本当に多いと感じています。
さらに私自身、かつて激しい「いびき」に悩まされ、家族に迷惑をかけたり、日中の強烈な眠気で診療に支障をきたした苦い経験があります。
ポリソムノグラフィ(精密睡眠検査)を受けたところ、中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
CPAP(持続陽圧呼吸療法)を導入してからは劇的に日中の眠気が改善しましたが、さらなる新しい治療を求めて治療法を模索しはじめました。そして様々ないびき治療を自ら実践し「正しい治療は人生を変える」という事実を身をもって体感しました。
このようにいびきと睡眠の関係を探求し続けていくうちに適切な時期に適切な治療を受ければその後のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)は劇的に向上するという予防医学の原点に返り、『いびきを最新治療法で治す。10,000人の眠りを見届けた麻酔科医が教える治療法』を上梓するとともに「いびき」にまつわる情報発信(いびきの最新情報:https://mdf.or.jp/ibiki-clinic/)を行っています。
いびきに悩んでいる方、ご家族のいびきが気になる方、日中の眠気で苦しんでいる方などの力になれればと思っております。
菅谷 和之
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