記事
2025年4月18日 配信
中学2年の一星(いっせい)は、最近学校で妙な話を耳にする。 「7月5日に日本が沈むらしいよ」「でっかい津波が来るって」「未来人が言ってたとか、予知夢が当たってるとか」 クラスメイトたちは面白がって話していたが、一星の胸には妙なざわつきが残った。 というのも── 父親が、かつて“ノストラダムスの大予言”に本気で怯えていたからだ。1999年7月、世界が終わると信じて、大学受験の勉強を放棄したという。「意味ないだろ?世界が終わるのに。だったら遊んでた方が得だ」と。 その父が今、一星にこう言うのだ。「7月5日、気をつけろよ。何か…来るかもしれない」 冗談っぽく笑う父の目は、どこか本気だった。 続く
続きをご覧ください
記事
2025年4月21日 配信
4月21日。 朝の通学路。風はまだ冷たく、海から吹き上げてくる潮の匂いが鼻につく。 一星は、東京湾に面した中学校へ向かっていた。 通称“W湾中(わんちゅう)”正式名称は「江東区立湾岸第二中学校」。 タワマンと倉庫が入り混じるこの地域では、地震が起きたら津波の被害が真っ先に心配される。 教室に入ると、ざわついた空気が流れていた。 「お前、また見たんだろ?あの動画」「マジで7月5日、来るって…でっかい津波」「タツキって人が言ってんだよ。前の地震も当てたってさ」 一星は席につく前に、ちらっと声の方を見た。そこにいたのは、親友の高橋 翼と、スマホを見せながら語る阿部 快斗。その横には、腕を組んで冷やや […]
続きをご覧ください
プロフィール
2023年3月13日 配信
プロフィール: 武左(TAKE HIDARI) 自分の人生は、自分で決める。ひりひりした生き方こそが人生じゃないか。 一寸先は闇。だから果敢に攻めるが得策。 生ぬるい人生じゃ風邪でも死んじゃうよ。もったいない。もったいない。 やぼな武士は、武左衛門。遊女に笑われるは一生の恥。 編集者。 「失敗は選択の結果。成功も選択の結果。次の一手に賭ける勇気を持て。そこに道あり。」「攻めろ。まだ生きてるじゃないか。」
続きをご覧ください