「運命の7月5日」*プロローグ(第1話)はこちら 目次 1. その夜、一星はリビングで無言のままスマホを見つめていた。2. リビングの隅に置かれた大きなリュック。3. 佳代の手が止まった。 その夜、一星はリビングで無言のままスマホを見つめていた。 SNSにはまだ「7月5日Tシャツ」の自撮りや「終末弁当チャレンジ」動画が溢れている。 「またその話?」キッチンから母・佳代が笑うように言った。エプロン姿のまま、手には缶詰とLEDライトを持っている。 「ちょうどいいから、アンタもこっち来なさい。避難袋の中身、もう一回チェックするわよ」 リビングの隅に置かれた大きなリュック。 開けると、中には非常食、水 … 続きを読む 第七章「母の防災、母の不安」(第9話)
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