2025年5月18日 配信
防災訓練の翌週、ホームルームでの議題は一つ。
「7月5日に向けて、クラスとしてどう向き合うか」
──誰もが避けたいはずだったその話題を、担任の矢口先生があえて取り上げた。
「最近、“7.5の日”について、ネットやSNSでいろいろな話が出ています。
学校としてはすでに否定の見解を出しましたが、それでも不安な人もいるはずです。
だからこそ、今日は皆で話しましょう。逃げずに、ちゃんと考えてみてください」
しばしの沈黙の後、手が上がった。
名乗り出たのは、理系で物静かな加瀬くんだった。
「本当に起こるかは分からない。でも、起こってからじゃ遅いから。
うちは家族で、千葉の内陸の親戚の家に“一時避難”するって決めました」
「え、それってもう決めたの?ガチ?」
「うちも話し合ってる。6月中には動くかも」
一方で、現実派の声も上がる。
「でも、それって“逃げ”じゃん?どこまで行ってもキリないよ。
もし本当に津波来るなら、都内全部危ないってことになるし」
「情報が“噂”だけなら、むやみに避難って、むしろ混乱のもとでしょ」
「“逃げる奴”がバカって言うわけ?予防って大事だと思うけど」
「いや、バカとは言ってないけど、全員が逃げたら社会止まるよね?」
「でもさ、国とか学校が“隠してる”ってこともあるかもしれないし…」
「また陰謀論?それ本気で言ってるの?」
「ちょっと待って。みんな、自分の考えを言うことは自由だ。
でも、否定や決めつけじゃなくて、“どうすれば安心できるか”を考えてほしい」
その言葉を受けて、一人の女子が静かに言った。
「私、逃げるって決めてるけど、
それをバカにされたら怖くて言えなくなる。だから、誰が何を選んでも
“正しい”って言える空気にしてほしい」
しばしの沈黙が流れたあと、矢口先生がノートに一つの項目を書いた。
「自分で決めた場所を、互いに尊重する」
「今、この教室は“情報の海”に浮かぶ船みたいなものだ。
どう舵を取るか、正解はわからない。でも、壊さないように進もう」
真っ先に名前が上がったのは――
「有明防災公園」だった。
「高台はないけど、耐震構造だし、備蓄もあるって聞いた」
「東京湾に面してるからって不安だけど、逆に監視体制もしっかりしてる」
「豊洲から歩いて30分弱。現実的だと思う」
やがて、数人の生徒が「もし本当に避難することになったら、どこで落ち合うか」を考え始めた。
一星はその様子を少し離れた場所から見つめていた。
自分も決めなければならない。
噂を信じるか、信じないか――ではなく、「どう生きるか」を。
続く
2025年7月5日に関する大地震の噂は、主に以下のような情報源や背景から広がっています。
2025年7月に、日本で大災害が起きる――。 科学的根拠のないそんな「予言」が香港人の間で広がり、日本への旅行を取りやめる動きが相次いでいる。(冒頭部分抜粋)
*(毎日新聞)漫画の災害予言→旅行中止相次ぐ 作者たつき諒さん「前向き」の真意
元漫画家・たつき諒氏が2021年に出版した『私が見た未来 完全版』が、噂の発端となっています。この書籍では、彼女が夢で見た未来の出来事を描いており、その中で「2025年7月に大災難がやってくる」と記されています。彼女の予知夢は、1999年に出版された同書で「大災害は2011年3月」と予言し、実際に東日本大震災が発生したことから注目を集めました。
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SNSやブログ、YouTubeなどのインターネット上では、「2025年7月5日に大地震が発生する」といった予言や都市伝説が拡散されています。これらの情報の中には、たつき諒氏の予知夢を引用したものや、南海トラフ地震との関連を示唆するものもあります。また、未来人を名乗る人物が投稿したとされるスクリーンショットが拡散されるなど、信憑性の低い情報も混在しています。
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一部のメディアでは、これらの予言や噂について取り上げ、防災の観点から注意を促す報道も見られます。しかし、専門家の多くは、これらの予言に科学的根拠がないと指摘しており、冷静な対応を呼びかけています。例えば、毎日新聞では「2025年7月5日、地球に隕石が衝突する」といった説について、真面目に考察する記事を掲載しています。
*毎日新聞
これらの情報は、科学的な根拠に基づいていないものが多く、信憑性には疑問が残ります。しかし、噂が広がることで不安を感じる人も多いため、正確な情報を得ることが重要です。防災対策を見直すきっかけとして、冷静に情報を受け止めることが求められます。
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