2025年5月22日 配信
あなたが見る未来「運命の7月5日」*プロローグ(第1話)7月の大魔王はこちら
日曜日の午後。
東京・豊洲の空はよく晴れていたけれど、一星の心には靄(もや)がかかっていた。
SNSで拡散されたデマ投稿は削除されても、スクショやコピペで“独り歩き”し、今や学校だけでなく地域の一部にも影響を与えていた。
でも、それがどこから始まったのか。
誰が最初に言い出したのか。
「それを突き止めることができれば、何か変わるかもしれない」
一星は、そう思っていた。
「で?お前、デマの出どころを探るっての?……いいねえ、そういうの嫌いじゃないよ」
リビングでポテチを食べていた父・真人がニヤリと笑った。
「なにそれ、興味あるの?」
「もちろん。人類はな、“信じたいものしか信じない”生き物なんだよ。特に終末予言にはロマンがある。ノストラダムスに、マヤ文明に、Web Botに──」
「……いや、うちは“真実”を探してるんだけど」
「わかってるって。よし、まずは“言い出しっぺ”を特定しよう」
真人はPCを開き、X(旧Twitter)と掲示板系、動画共有サイトを同時に開いた。
「7月5日 地震 東京湾 津波」で検索すると、投稿が山ほどヒットする。
中にはまるで予知夢のようなイラスト付きのポストや、海鳴りの音とされる怪しい動画もある。
「これ、最初にバズったのって、たぶんこの“謎アカ”だな」
「フォロワー少ないのに、なんでこんなに拡散されたんだろ」
真人が指差したのは、《@creatorsworld》という匿名アカウント。
プロフィールにはこう書かれていた。
「うさんくさ……」
「でもこのアカウント、注目すべきはこの画像だ」
そこに貼られていたのは、1995年の“阪神淡路大震災”の新聞の一部。
赤いマーカーで囲まれた「7月5日」の数字と、意味深に並べられた“過去の地震発生日”。
「いわゆる“こじつけパズル”だな。偶然でも数字が揃うと、人間は意味を感じる。これ、“意味の錯覚”って心理学で言うんだ」
一星はメモ帳に書き留めながら頷いた。
「でもこれ、最近になって急に拡散されてる。最初の投稿は去年の10月……」
「で、拡散のトリガーは“まとめ系動画”だな。
ほら、“地震が来ると予言された街”とか、“東京湾に謎の磁場”とか。
これがTikTokとYouTubeで火がついた。誰かがまとめ動画に加工してる」
さらに調査を進めていくと、ある一つの動画にたどり着く。
再生回数は驚異の200万超。
中身は、怪しい音声と地図、人工地震を示唆する陰謀論、そして終末的な音楽。
「これ、制作者が“ミーム”を作ってるんだ」
真人が呟く。
「ネット文化の中で、“強い感情”と“再利用のしやすさ”をもつ情報が、コピーされまくって進化していく。
これは、恐怖と謎っていう感情を使って、拡散されることを狙ってる。“バズる”ように設計されてるんだ」
「つまり、ただの偶然じゃなくて、意図的に?」
「おそらく。……その理由は、金か、混乱を楽しむだけか。あるいは本気で信じてるか」
「ふざけてるよ……。こんなの、誰かの“遊び”で、みんなが怖がってるなんて……!」
「だからこそ、“真実を伝える人間”が必要なんだよ。一星」
真人がまっすぐに言った。
「お前は、その一人になれる。これはな、父ちゃんが果たせなかった戦いだ」
「戦い……?」
「昔、父ちゃんは“ノストラダムスの大予言”ってやつに逃げた。
本気で信じたふりして、受験からも現実からも逃げた。
でも今は、信じるだけじゃだめだってわかる。調べて、確かめて、伝える。
……そういうことができるやつが、次の時代をつくるんだ」
一星は、ゆっくりとPCを閉じた。
この情報の海の中に、確かに何かがある。
2025年7月5日に関する大地震の噂は、主に以下のような情報源や背景から広がっています。
2025年7月に、日本で大災害が起きる――。 科学的根拠のないそんな「予言」が香港人の間で広がり、日本への旅行を取りやめる動きが相次いでいる。(冒頭部分抜粋)
*(毎日新聞)漫画の災害予言→旅行中止相次ぐ 作者たつき諒さん「前向き」の真意
元漫画家・たつき諒氏が2021年に出版した『私が見た未来 完全版』が、噂の発端となっています。この書籍では、彼女が夢で見た未来の出来事を描いており、その中で「2025年7月に大災難がやってくる」と記されています。彼女の予知夢は、1999年に出版された同書で「大災害は2011年3月」と予言し、実際に東日本大震災が発生したことから注目を集めました。
*Amazon+4日刊ゲンダイDIGITAL+4雑誌/定期購読の予約はFujisan+4
*~災害に備えるにはどうすれば~+3note(ノート)+3namidensetsu.com+3
SNSやブログ、YouTubeなどのインターネット上では、「2025年7月5日に大地震が発生する」といった予言や都市伝説が拡散されています。これらの情報の中には、たつき諒氏の予知夢を引用したものや、南海トラフ地震との関連を示唆するものもあります。また、未来人を名乗る人物が投稿したとされるスクリーンショットが拡散されるなど、信憑性の低い情報も混在しています。
*雑誌/定期購読の予約はFujisan+3- ~災害に備えるにはどうすれば~+3日刊ゲンダイDIGITAL+3
一部のメディアでは、これらの予言や噂について取り上げ、防災の観点から注意を促す報道も見られます。しかし、専門家の多くは、これらの予言に科学的根拠がないと指摘しており、冷静な対応を呼びかけています。例えば、毎日新聞では「2025年7月5日、地球に隕石が衝突する」といった説について、真面目に考察する記事を掲載しています。
*毎日新聞
これらの情報は、科学的な根拠に基づいていないものが多く、信憑性には疑問が残ります。しかし、噂が広がることで不安を感じる人も多いため、正確な情報を得ることが重要です。防災対策を見直すきっかけとして、冷静に情報を受け止めることが求められます。
クリエイティブメディア出版・キャスティング局
コメント
0 件