2024年3月22日 配信
ようやくMLB開幕、という折しものこのとき、突然に「…専属の通訳、解雇」の知らせ..これには驚かされました。この先、国内のIR業界まで、道は遠いなというのが同時に連想したことです。
元カジノ事業者が大統領となれる国ですら、オンライン系カジノを違法とする向きの多い米国、ここでも派手な出方をしたものです。同じIR事業でもラスベガスを代表するランドベース(地上施設型)カジノはオンライン系事業を目の敵にしてきた現実があります。歴史的には後発のオンライン系のほうが設備投資は少なく、収益は大きい、そのため地上型事業者のベガスにはにらまれてる存在なのをご存じか。
今回、米ドジャーズ・水原某通訳が嫌疑をかけられてるのはスポーツベッティングを禁じられている加州で賭け金を払ったのでは?という点らしい。米D球団が一気にクビにした状況から、また当人の原質(と仄聞)で常習的なプレイヤと見なされていることから、相当以前から内定した結果なのではと思われ、MLB開幕直後という時を考えれば、米D球団が迅速に解雇した裏事情は(憶測ではあるけど)、相当に剣呑と見るべき。
IRカジノ事業を考えたとき、米国には著名なラスベガスを始めインディアンカジノなど特定のIR事業者は多く、顧みればいつまで待たせるのか国内のIR事業。本邦ではこれまでIR法案の可否だけに注目し、国内展開を考えきらぬまま今日まで来てしまっている事情があり、本邦のIR産業をどう発芽させ、水やり・日当たりさせて育てるのかという問いへ答えを出しきらぬまま現在に至ったとすれば、米国の裏返しか、その咎なのだろうかとも思う。
持論だが、IR産業にも人・金・モノと情報が必要なのは当然。しかし人と組織をどう育成するか、産業資金の集め方・使い方、産業インフラを国産化するための手立てなど、すべての実務面の検討はこれからだと考えてみると、これからの展開のありようを国内事業者でやりきれか、やりきるとしてあとどれだけ時間をかけるのか…と考えてしまう。
たとえばIR事業を運営する事業者は、事業組織に求められる人員の育成策をどう考えるのか;人材の育成には相当の時間(例:~5年)を要するうえにその育成方法(例:IR施設での実務OJT)がいるだろう。同時に事業顧客へのマーケティングをどうするか;事業資金の調達;行政側の諸事業規定(まだない)とその対応策;世界の同時業者に共通する業界の共通事項(企業経営のふるまいと整合性)を自らのものとするのか等、上げれば十指を超える。どれも既存の外国IR事業者を丸抱えするだけでは解決は困難と思われるが…
(渡部研一)
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