2022年7月7日 配信
「カットアップ」それは文章をばらばらにして、ランダムに繋げる実験的な手法。
1950年代にビート・ジェネレーションを代表する作家の一人、ウィリアム・S・バロウズが友人のブライオン・ガイシンとともに発明した。
ガイシンは新聞の記事を切り分け、ランダムに並べてそれをもとに文章や単語を作った。
それによって、今まで気づかなった驚くような新しいフレーズや文章が生まれることがある。
そこで僕は過去作の電子書籍『発狂山』1ページ目のテキストを切り分け、ランダムに並べてみる実験を試みた。
一般的なやりかたはテキストが印刷された紙を四つ(長方形に)切り取り、それらを並べ替えて混ざり合った散文を新たに文章として書き起こす・・・。
すると、どうだろう・・・浮かび上がってきた印象的な文章は――
■耳を澄ます
■殺しの歌
■あの山
■義父
■吹雪
■裏切り者
■深夜十二時
そして、この文章を繋ぎ合わせてみると――
■耳を澄ます殺しの歌あの山義父吹雪裏切者深夜十二時
そして、文章として成り立つように単語遊びを繰り返しながら文字を省いたり加えたりして手直していく。すると・・・
■二十時に雪深い裏山で耳を澄ますと義父のあの殺しの歌が聞こえてくる。
ほうら・・・驚くべきことに・・・原作とはまったく違う新しい物語が出来上がってしまったーー
今後、僕はカットアップ方式を独自の新しい新カットアップ方式として改良し、さらなる独創的な意欲作にむけて邁進していきたいと思う。
(終わり)
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