短編小説
2022年6月1日 配信
ショート・ショート・ショート(超短編)について それは小説の中でも特に短い作品の事である。つまりは1ページから数枚に収まる長さの超短編である。過去の日本のショート・ショートコンテストを例に挙げるならば、原稿用紙20枚以下の規定の募集があった。では、さらに短いショート・ショートを書くとすればそれは何と名付ければよいか?僕は自分なりに命名することにした……ショート・ショート・ショートと。もっとスマートに命名するならば、ショート✖3でいいのか?では……実験的な超短編スリラー『まわり道』をどうぞ。 『まわり道』(実験的な超短編スリラー) 風ひとつない深夜の山道。 僕は暗闇に怯えながら、帰り道を急 […]
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世界線
2022年5月17日 配信
一つの物語をいくつもの可能性に導く―― 主人公Aが友人Bと協力し犯人Cを捕まえるストーリー・・・ または主人公Aが友人Bを殺されたために犯人Cに復讐する別のストーリー・・・ さらには、主人公Aが親友と思っていたBに裏切られ、犯人と思っていたCと協力するストーリー・・・ AとBが犯人でCを追い詰めていく物語もありだ。そう、果てしなく続く物語の可能性・・・ 僕の頭の中にはまるで何本もの線路が走っているように、何本もの物語の映像が浮かぶ。 同じ世界観のなかで。 世界線・・・この言葉が世に出てきたのは10年ぐらい前からか・・・ 僕はその遥か前から、その存在を感じていた。 僕という大和田が別の世界には複 […]
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戦慄のメアリー
2022年5月11日 配信
この作品は80年代のアメリカン・ホラーを意識して書いたつもりだ。 ジョン・カーペンターの作品や『血のバレンタイン』(80年版)、『バーニング』、あの有名な『13日の金曜日』シリーズもしかり、僕の体には物心ついたころから洋画ホラーの血が流れていた。 それもあって、学生の頃は得体の知れないホラー映画を見続けて、チェックリストを作っていたほどだ。まだ、VHSテープのレンタル店が軒を並べていた頃、店内の隅にある異様な空間に引き込まれた―― そこには独特な甘い香りが立ち込め、悪魔が並べたとしか思えない異様なパッケージがずらりと並んでいた。醜悪な殺人鬼や怪物の表紙、震える手で手に取る・・・裏面を見るのが恐 […]
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記事
2022年5月9日 配信
僕はどちらかというと絶望で始まり、絶望で終わる物語が好きだ。 一般受けするのは絶望で始まり、困難を切り抜けて最後は希望を胸にハッピーエンド。 僕にもまったくその要素がないとは言わない。 映画だって最近はハッピーエンドが好きで、涙をうっすらと浮かべる時がある。 だが・・・やはり・・・何かが物足りないのだ。 アドレナリンを分泌させる設定・・・ 主人公の暗い内面にスポットライトを当て、それを隠しながら生きている主人公。 社会に溶け込み、一見・・・体面を保っているかのように見える―― 遠い過去に犯したどす黒い事件をひた隠して、生きるが過去は何かしらに姿を変えて追ってくる。 非常に嗅覚に優れたそいつはど […]
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発狂山
2022年5月7日 配信
おぞましい殺人妄想を抱える語り手・・・それが物語の主人公、(私)である。 この(私)は冴えない会社員であるが、内面に極度の劣等感と憎悪を抱える人物である。 (私)は同僚や上司の理不尽な言動に普段から敏感に反応し、怒りをため込んでいる。 ストレスの発散として恐らくは随分と前から殺人妄想なるものを創り出し、自分なりのストーリーを練り上げ、楽しんでいた節がある。 当時、この作品を書いている時は(私)は自分を投影していた気もする。 殺人妄想・・・頭の中を巡る醜悪な凶行は実行さえしなければ、犯罪にはなり得ない。 誰しも想像だけなら・・・一度はあるのではないか? 僕は決して聖人君子などではない。 そして・ […]
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視点
2022年5月5日 配信
僕は一人称視点で物語を書くことが多い。 最近で言うと、FPS(ファースト・パターン・シューティング)ゲームでよく用いられる手法だ。 僕の視界に入る他人の全ての言動、耳に入る全ての雑音を拾い書き留める。 そうして、物語が進むうちに徐々に書き手(僕)は他人に対しての殺意を覚え始めることがある。 どの登場人物を消すか、または残すか・・・つまりは僕はこの物語の中に君臨する絶対神だ。 どの登場人物も僕の手の内にあり、好きに動かすことができる。 登場人物の顔を想像し、肉付けする・・・頭の中に幾多の顔が浮かぶ時がある。 愛着が沸けば沸くほど、劇的な死を考えてしまう。 僕はそっとほくそ笑む・・・ 知っている・ […]
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電子書籍
2022年5月4日 配信
*戦慄のメアリー:さびれた田舎町ウッズミントン。
わたしはだれ?
この町になぜいるの?
吠え続ける犬、怪しい住人たち、そして納屋の中・・・。
町の秘密を解き明かしたとき、思いもよらぬ衝撃的な結末が待ち構えていた。
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電子書籍
2022年5月3日 配信
*発狂山:
私はどこにでもいる普通の会社員。
でも、裏の趣味は他人に抱く殺人妄想。そして、ある日。古びた避難小屋。その小屋には管理人としての老人がいた。
やがて始まる狂気の一夜。殺しの宴の中で老人から聞こえてくる「殺しの歌」。そして、私の中でくすぶっていた何かが目を覚ます。
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